心療内科・精神科・内科・睡眠障害内科

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抗うつ薬で太るのは本当?体重が増える理由・太ったと感じた時にやるべきこと

2026.5.30

「抗うつ薬を飲み始めてから太った気がする」
「薬のせいで体重が増えているのではないか」
「太るなら、抗うつ薬をやめたい」

このように感じて診察時にご質問なさる方・検索される方は少なくありません。

結論からいうと、抗うつ薬によって体重が増えることはあります。ただし、すべての人が太るわけではなく、薬の種類、食欲、睡眠、活動量、うつ症状の回復過程など、いくつかの要因が重なって体重が変化します。抗うつ薬による体重増加は起こり得る一方で、人によって反応は異なり、うつ症状の改善に伴って食欲が戻ることも体重増加の一因になり得ます。

大切なのは、「太ったから薬を急にやめる」ではなく、「太って困っていることを伝える」「いつから、どのくらい増えたか」を率直に主治医に相談することです。

「太ることが心配だ」「太って困っている」、精神的な不調を和らげるために飲んでいるのだから仕方がない?そう自分に思い聞かせている方も多いかと思います。しかし、体重増加や太ることへの懸念は重要な問題です。特に、内科疾患が併存している方は、体重増加による睡眠時無呼吸症候群の悪化や高血圧・糖尿病・高脂血症等の悪化などもリスクです。また、太ることが心配だという懸念そのものも私たちは決して軽視せず受け止めたいと思っています。


抗うつ薬で太ることはある?

まず事実として抗うつ薬の副作用として、体重増加がみられることがあります。

たとえば、ミルタザピンでは添付文書上も「体重増加」や「食欲亢進」が副作用として記載されています。 また、パロキセチン、エスシタロプラム、セルトラリン、デュロキセチンなどでも、添付文書上に体重増加が記載されています。

ただし、「抗うつ薬を飲むと必ず太る」というわけではありません。体重が増える人もいれば、変わらない人、むしろ体重が減る人もいます。それは抗うつ薬の副作用の出やすさにもよりますし、病状による体重の増減もあります。

そのため、ネット上の「この薬は絶対太る」「この薬なら太らない」という情報だけで判断するのは危険です。


抗うつ薬で体重が増える主な理由

抗うつ薬を飲んで体重が増えた場合、原因は薬だけとは限りません。主に次のような理由が考えられます。

1. 食欲が増える

薬の種類によっては、食欲が増えやすくなることがあります。

特にミルタザピンは、眠気や食欲増加、体重増加が問題になりやすい薬のひとつです。添付文書でも「体重増加」「過食」「食欲亢進」が記載されています。

「夜にお腹が空くようになった」
「甘いものや炭水化物を食べたくなる」
「以前より間食が増えた」

このような変化がある場合、体重増加につながることがあります。

2. うつ症状が改善して食欲が戻る

うつ病の症状が強い時期には、食欲が落ちて体重が減っている方もいます。

治療によって気分が少しずつ改善すると、食欲が戻ります。その結果、「薬で太った」と感じることがありますが、実際にはうつ症状で落ちていた食欲が回復したという場合もあります。

3. 活動量が減っている

うつ病では、外出や運動の機会が減ることがあります。

睡眠時間が長くなる、仕事や学校を休んでいる、家にいる時間が増えるなど、倦怠感で活動量が落ちている時期は消費エネルギーも減ります。その状態で食欲が戻ると、体重が増えやすくなります。

4. 睡眠や生活リズムが変わる

抗うつ薬のなかには眠気が出やすいものがあります。

夜の睡眠が安定することは治療上よい面もありますが、日中の眠気が強く、動く量が減ると体重増加につながることがあります。また逆に不眠傾向で眠れないと食欲が増加することもあり得ます。寝不足では、食欲を高めるグレリンや満腹感に関わるレプチンのバランスが乱ることで食欲の変動があると考えられています。
したがって、体重増加が起きたときは「抗うつ薬だけのせい」と決めつけず、睡眠、食欲、間食、活動量、症状の回復状況をあわせて確認することが大切です。


太りやすい抗うつ薬はある?

抗うつ薬の種類によって、体重への影響には違いがあります。

一般的に、体重増加が比較的話題になりやすい薬としては、ミルタザピンパロキセチンなどがあります。その他体重増加が起こりやすい抗うつ薬の例として、三環系抗うつ薬、一部のMAOI等も挙げられます。

また、2024年に発表された海外の研究では、18〜80歳の抗うつ薬新規使用者183,118人の電子健康記録を用いて、8種類の抗うつ薬開始後の体重変化が比較されました。その研究では、エスシタロプラムやパロキセチンは、セルトラリンと比べて、開始6か月時点で5%以上の体重増加リスクが高い傾向が報告されています。

もちろん薬の薬効、副作用には個人差がありますが一般的に抗うつ薬の中でも太りやすさに差があり、病状として許容されれば投薬を中止することや比較的太りにくい抗うつ薬への変更を検討することも一考に値するでしょう。


「太りにくい抗うつ薬に変えたい」と思ったら

体重増加がつらい場合、主治医に相談することで、次のような対応を検討できることがあります。

薬の量を調整する、薬を変更する、服用時間を見直す、食欲や眠気への対策をする、活動量を少しずつ戻すなどです。

対応としてまずいことは、太って嫌だ、太ることが懸念だということで投薬を自己判断で減量したり中止したりすることです。

ただし、自己判断で薬を減らしたり中止したりすると、うつ症状が悪化したり、離脱症状が出たりすることがあります。NHSは、抗うつ薬を中止したい場合は医師と相談し、通常は数週間から数か月かけて徐々に減量すると説明しています。

主治医に相談するときは、次のように伝えると話が進みやすくなります。

相談時に伝えるとよいこと

  • 薬を飲み始めた時期
  • 体重が増え始めた時期
  • 何kg増えたか
  • 食欲が増えたか
  • 間食や夜食が増えたか
  • 眠気で活動量が減っていないか
  • むくみ、便秘、だるさがあるか
  • 薬をやめたいほど困っているか

特に、短期間で急に体重が増えた場合、むくみが強い場合、息切れや強いだるさがある場合は、早めに相談しましょう。


抗うつ薬で太ったときに、やってはいけないこと

自己判断で急にやめる

一番避けたいのは、薬を急にやめることです。

抗うつ薬は、急に中止すると、めまい、吐き気、頭痛、不眠、不安、イライラ、電気が走るような感覚などの離脱症状が出ることがあります。NHSも、抗うつ薬を突然中止したり、医師に相談せず中止したりしないよう注意しています。

パロキセチンの添付文書にも、投与中止、特に突然の中止や減量により、めまい、知覚障害、睡眠障害、不安、焦燥、嘔気、頭痛、下痢などが出ることがあり、患者判断で中止しないよう服薬指導することが記載されています。

「太ったから今日から飲まない」ではなく、必ず主治医と相談して方針を決めましょう。

極端な食事制限をする

体重が増えると、食事を大きく減らしたくなるかもしれません。

しかし、極端な食事制限は、気分の落ち込み、イライラ、不眠、疲れやすさにつながることがあります。うつ病の治療中は、体重だけでなく、睡眠、気分、生活リズムも大切です。

まずは、夜食を減らす、甘い飲み物を水やお茶に変える、間食の回数を確認する、散歩など軽い活動を取り入れるといった、続けやすい方法から始めるのが現実的です。


体重増加を主治医に相談する目安

次のような場合は、早めに主治医へ相談してください。

  • 薬を始めてから体重が明らかに増えた
  • 服薬後に食欲が強くなった
  • 夜中や寝る前の間食が増えた
  • 眠気で日中の活動量が落ちている
  • 太るのが不安で薬をやめたくなっている
  • 体重増加がつらく、治療を続ける気持ちが揺らいでいる
  • むくみ、息切れ、強いだるさがある

抗うつ薬の目的は、つらい気分、不安、不眠、意欲低下などを改善し、生活を取り戻していくことです。

体重増加が気になって治療を続けにくくなっているなら、それは十分に相談すべき理由です。


よくある質問

Q. 抗うつ薬を飲むと必ず太りますか?

必ず太るわけではありません。体重が増える人もいますが、変わらない人、減る人もいます。薬の種類だけでなく、食欲、睡眠、活動量、うつ症状の回復などが関係します。

Q. どの抗うつ薬が一番太りますか?

個人差もあり一概にはいえません。ただし、ミルタザピンやパロキセチンは体重増加が話題になりやすい薬です。一部の研究では、エスシタロプラムやパロキセチンがセルトラリンより体重増加リスクが高い傾向も報告されています。

Q. 太りにくい抗うつ薬に変えられますか?

変更を検討できる場合はあります。ただし、薬は体重だけでなく、症状、効果、副作用、持病、併用薬などを考えて選びます。自己判断で変えず、主治医に相談してください。

Q. 太ったので薬をやめてもいいですか?

自己判断で急にやめるのは避けてください。離脱症状や症状の悪化が起こることがあります。中止や減量を希望する場合は、医師と相談しながら段階的に進める必要があります。


まとめ

抗うつ薬で体重が増えることはあります。特に、薬の種類によっては食欲増加や体重増加が起こりやすい場合があります。

一方で、体重増加の原因は薬だけとは限りません。うつ症状の改善で食欲が戻る、活動量が減っている、睡眠や生活リズムが変わったなど、複数の要因が関係していることもあります。

大切なのは、薬を自己判断でやめないことです。

「太った気がする」
「体重が増えて治療を続けるのが不安」
「太りにくい薬に変えたい」

このような場合は、体重の変化や食欲の変化をメモして、主治医に相談しましょう。薬の調整、変更、生活面の対策など、一緒に考えられる選択肢があります。

抗うつ薬による体重増加・食欲増加でお悩みの方は、てらすクリニックにっぽりへご相談ください

「抗うつ薬を飲み始めてから太った気がする」
「食欲が増えて、間食や夜食がやめにくくなった」
「眠気が強く、日中の活動量が減っている」
「この薬は太りやすい薬なのか不安」
「太るのが怖くて、薬を続けるか迷っている」
「自己判断で薬をやめてしまいそうで不安」

このようなお悩みがある方は、てらすクリニックにっぽりへご相談ください。

抗うつ薬による体重増加には、薬の種類による食欲増加、眠気による活動量の低下、睡眠リズムの乱れ、うつ症状の改善に伴う食欲の回復など、さまざまな要因が関わります。特に、ヒスタミンH1受容体やセロトニン5-HT2C受容体などへの作用が、食欲や体重変化に関係することがあります。

一方で、体重が増えた原因が抗うつ薬だけとは限りません。睡眠不足、生活リズムの乱れ、甲状腺機能の異常、血糖・脂質代謝の変化、ほかの薬の影響などが関係している場合もあります。

当院では、心療内科・精神科・内科の視点から、こころとからだの両面を確認し、抗うつ薬の効果と副作用、食欲、眠気、睡眠、活動量、体重変化などを一緒に整理していきます。必要に応じて、血液検査や薬の調整、薬の変更、生活面での対策、専門医療機関との連携も含めて、今後の方針を相談できます。

大切なのは、太ったからといって抗うつ薬を自己判断で急にやめないことです。急な中止や減量により、めまい、吐き気、不眠、不安、気分の落ち込み、離脱症状、症状の再燃が起こることがあります。

「体重が増えたことを相談するのは気まずい」
「薬の副作用を気にしていると思われたくない」
「太るくらいなら黙って薬をやめたい」

このように感じる方もいますが、体重増加は治療を続けられるかどうかに関わる大切な相談内容です。遠慮せずにご相談ください。

現在お薬を飲んでいる方は、お薬手帳や薬の名前がわかるもの、体重変化のメモがあると診察で状況を整理しやすくなります。

今後どうしたらよいのか、薬を続けるべきか、変更を相談できるのか、体重増加にどう対応すればよいのかなど、医療面でお困りの方はお気軽にご相談ください。

当院は土日も診療しており、JR日暮里駅から徒歩30秒、WEB予約は24時間受付可能です。

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監修者情報

船橋 健吾
医師 船橋 健吾

東京医科歯科大学医学部医学科卒業(現・東京科学大学)
地方中核病院やメンタルクリニック・訪問診療クリニック・産業医として勤務
当院の分院であるてらすクリニックひきふね 院長
(内科・心療内科・精神科・訪問診療)

産業医やケアマネジャーとしても働きつつ、働く皆様や高齢者のお力になりたいと考えています。

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