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メンタル不調の裏に隠れる男性更年期障害

2026.5.9

男性更年期障害にテストステロン注射は有効?効果・検査・注意点をわかりやすく解説

「最近、疲れが抜けない」「やる気が出ない」「眠りが浅い」「性欲が落ちた」——。
40代以降の男性で、このような不調が続く場合、男性更年期障害、医学的にはLOH症候群が関係していることがあります。

男性更年期障害は、単なる年齢のせいではありません。加齢やストレスなどに伴い、男性ホルモンであるテストステロンが低下することで、身体・こころ・性機能にさまざまな症状が現れる状態とされています。日本泌尿器科学会などの手引きでも、LOH症候群では全身倦怠感、性欲低下、筋力低下、ED、集中力低下、不眠、いらいら、早朝勃起の減少などがみられるとされています。

男性更年期障害の主な症状

男性更年期障害の症状は、人によって現れ方が異なります。代表的には、疲労感、筋力低下、ほてり、発汗、睡眠の質の低下といった身体症状のほか、気分の落ち込み、意欲低下、集中力低下、イライラなどの精神症状がみられます。性機能面では、性欲低下やEDがきっかけで受診される方も少なくありません。日本内分泌学会も、男性ホルモンの減少により身体・精神・性機能の症状が現れると説明しています。

ただし、これらの症状はうつ病、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺疾患、糖尿病、貧血、薬剤の影響などでも起こることがあります。そのため、「テストステロンが低そうだから注射を打つ」と自己判断するのではなく、まずは医療機関で原因を整理することが大切です。

テストステロン注射とは

男性更年期障害の治療選択肢の一つが、テストステロン補充療法です。英語ではTRT、Testosterone Replacement Therapyと呼ばれます。

日本では、医療機関で行う筋肉注射が一般的な方法の一つです。日本泌尿器科学会などの「LOH症候群 診療の手引き」では、国内で一般的に用いられる方法として、テストステロンエナント酸エステルを125〜250mg、2〜4週間ごとに筋肉内投与する方法が示されています。

注射によって不足しているテストステロンを補い、症状の改善を目指します。ただし、効果の出方には個人差があり、「打てば必ず元気になる」という治療ではありません。治療の目的は、検査値だけを上げることではなく、つらい症状や生活の質を改善することです。手引きでも、TRTの主な目的はQOLの改善にあるとされています。

費用については3割負担の方で700-1500円/回を2~4週間隔で行う事が目安です。

又、別途処方が出る場合や精神療法を行う場合、初診時や治療の合間で採血を行う場合には別途検査費用が必要になります。

治療前に必要な検査

テストステロン注射を検討する前には、症状の確認と血液検査が必要です。テストステロン値は時間帯によって変動するため、午前中の採血で評価されることが多く、日本の手引きでは、総テストステロン250ng/dL未満、遊離テストステロン7.5pg/mL未満などが診断の目安として示されています。

一方で、治療の判断は数値だけで決まるものではありません。日本の手引きでは、総テストステロン値や遊離テストステロン値は治療適応を判断するうえでの必須項目とはせず、LOH症状や徴候を中心に判断するとされています。

また、治療前には前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA、血液の濃さ、肝機能、生活習慣病の有無なども確認します。特にPSAについては、治療前に測定することが推奨されています。

テストステロン注射で期待できること

テストステロン補充療法により、性欲低下、ED、疲労感、気分の落ち込み、筋力低下などの改善が期待される場合があります。ただし、症状の種類や背景によって効果は異なります。

海外の内分泌学会ガイドラインでは、テストステロン補充療法により性欲や勃起機能などに小さいながらも有意な改善がみられた一方、エネルギーや気分については明確な差が出なかったという解析も紹介されています。つまり、テストステロン注射は有効な方がいる治療ですが、すべての不調を解決する万能薬ではありません。

そのため、治療中は「なんとなく続ける」のではなく、症状の変化、血液検査、PSA、体調の変化を定期的に確認しながら継続の必要性を判断します。日本の手引きでも、治療後はLOH症状や徴候を定期的に評価し、患者との共通理解のもとで治療の必要性を判断する必要があるとされています。

注意すべき副作用・リスク

テストステロン注射は医師の管理下で行う治療です。代表的な注意点として、前立腺への影響、多血症、肝機能検査値の異常、にきび、脱毛、注射部位の痛み、女性化乳房症、精巣機能の抑制などがあります。

添付文書では、男性に投与する場合は定期的に前立腺の検査を行うことが記載されています。また、副作用として、肝機能検査値の異常、脱毛、注射部位の疼痛や硬結、大量継続投与による精巣萎縮・精子減少・精液減少などの精巣機能抑制が挙げられています。

特に、将来的に子どもを希望している方は注意が必要です。外からテストステロンを補うことで、体内での精子形成が抑えられることがあります。日本の手引きでも、TRTにより造精機能障害を高頻度で生じるため、治療開始前に挙児希望の有無を確認する必要があるとされています。

また、前立腺がんや男性乳がんなどのアンドロゲン依存性悪性腫瘍がある方、またはその疑いがある方には、テストステロン製剤は投与できません。添付文書にも、アンドロゲン依存性悪性腫瘍やその疑いがある患者は禁忌と記載されています。

生活習慣の改善も大切

男性更年期障害の治療は、注射だけではありません。睡眠不足、過度なストレス、運動不足、肥満、飲酒習慣などは、テストステロンや体調に影響することがあります。

日本内分泌学会も、男性ホルモンの減少はストレスや睡眠不足などの影響を受けるため、生活習慣の改善が症状回復につながると説明しています。また、治療としても、ストレスのチェック、睡眠、運動、食事習慣の改善が挙げられています。

テストステロン注射を行う場合でも、睡眠、食事、運動、ストレス対策を並行して整えることで、より良い体調管理につながります。

まとめ

男性更年期障害は、年齢のせいと我慢されやすい不調です。しかし、テストステロンの低下が関係している場合、適切な検査と治療によって症状の改善が期待できることがあります。

一方で、テストステロン注射は誰にでも行える治療ではありません。前立腺がんの確認、血液検査、持病や内服薬の確認、将来の妊娠希望の有無などをふまえて、医師が慎重に判断する必要があります。

疲れや意欲低下、性機能の変化が続いている方は、自己判断でサプリメントに頼る前に、医療機関で相談してみましょう。症状の原因を知ることが、回復への第一歩です。

倦怠感、性欲低下、元気が無い、男性更年期障害かもしれないと心配な方は、てらすクリニックにっぽりへご相談ください。
当院では、心療内科・精神科・内科の視点から、こころとからだの両面を確認し、男性更年期障害の診断・検査と男性ホルモン注射等の治療を行います。
土日も診療しており、JR日暮里駅から徒歩1分、WEB予約は24時間受付可能です。

監修者情報

船橋 健吾
医師 船橋 健吾

東京医科歯科大学医学部医学科卒業(現・東京科学大学)
地方中核病院やメンタルクリニック・訪問診療クリニックなどで勤務
てらすクリニックひきふね 院長
(内科・心療内科・精神科・訪問診療)

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