心療内科・精神科・内科・睡眠障害内科

荒川区西日暮里2-19-4 たちばなビル9F 日暮里駅から徒歩1分 [MAP]

03-5604-5918
月・火・木・金 09:30〜13:00 / 14:30〜19:00
土・日 09:30〜13:15 / 14:00〜16:00
水・祝 休診
メニュー 閉じる

【強迫性障害】強迫行為は無理にでも我慢したほうがいいの?

2026.6.20

適切な診断と支援の元で徐々に我慢をしていく事が良い場合がある 自己流で無理やりに我慢することは望ましくない

「鍵を閉めたか何度も確認してしまう」
「手を洗っても洗っても、まだ汚れている気がする」
「大丈夫だと分かっているのに、確認せずにはいられない」

強迫性障害、現在は「強迫症」とも呼ばれる病気では、このような症状がみられることがあります。

患者さんからよく聞かれるのが、

「強迫行為は我慢したほうがいいのでしょうか?」
「確認したくなったら、確認して安心したほうがいいのでしょうか?」

という質問です。

結論から言うと、強迫行為は一時的には不安を下げますが、長期的には症状を維持しやすくします。

そのため、心理療法として「不安を感じても、強迫行為をしない練習」を少しずつ行うことがあります。これは認知行動療法(CBT)に含まれる曝露反応妨害法、英語ではERP(Exposure and Response Prevention)と呼ばれる治療法です。

ただし、これは単に「根性で我慢しなさい」という意味ではありません。自己流で無理に我慢するのではなく、症状の程度や生活への影響を確認しながら、段階的に進めることが大切です。

強迫性障害とは

強迫性障害では、自分でも「考えすぎかもしれない」と分かっていても、不安な考えやイメージが繰り返し浮かびます。

このような考えを「強迫観念」と呼びます。

例えば、

不潔恐怖「手が汚れたかもしれない」「家に帰ったらシャワーを必ず浴びないといけない」
確認脅迫「鍵を閉め忘れたかもしれない」「コンロを消し忘れたかもしれない」
加害恐怖「誰かを傷つけたかもしれない」
疾病恐怖「何かの病気(性感染症やコロナウイルス等の感染性疾患など)に罹患しているかもしれない」

といった考えです。

そして、その不安を打ち消すために行う行動を「強迫行為」と呼びます。

例えば、

何度も手を洗う。自分も家族にも帰宅後風呂に入ることを強要する
何度も鍵やガス栓を確認する。駅まで行ったのに家に戻ってくる
家族や友人にに「大丈夫だよね」と何度も聞く。
何度も同じ検査をするためにクリニックを受診し陰性を確認してしまう。

このような行動です。

強迫行為をすると、なぜ一時的に楽になるのか

強迫行為をすると、多くの場合、一時的には安心します。

鍵を確認すれば、「閉まっていた」と分かります。
手を洗えば、「少しきれいになった」と感じます。
家族に確認すれば、「大丈夫」と言ってもらえます。

そのため、本人にとって強迫行為は「意味のない行動」ではありません。むしろ、その瞬間の苦痛を下げるためには、とても強力な方法になっています。

しかし、ここに落とし穴があります。

強迫行為によって不安が下がると、脳は、

「確認したから安心できた」
「手を洗ったから危険を避けられた」
「聞いたから大丈夫だった」

と学習してしまいます。

その結果、次に不安が出たときにも、また強迫行為をしたくなります。

つまり、強迫行為は短期的には安心をもたらしますが、長期的には「強迫行為をしないと安心できない」という悪循環を強めてしまうのです。

では、強迫行為は我慢したほうがいいのか

ここで大切なのは、「我慢」という言葉の意味です。

強迫性障害の治療では、強迫行為を少しずつ減らしていくことが重要です。

しかし、それは、

「不安を感じてはいけない」
「強迫観念を消さなければいけない」
「苦しくても根性で耐えなければいけない」

という意味ではありません。

強迫観念は、無理に消そうとすると、かえって意識されることがあります。

治療で大切なのは、不安な考えが浮かんでも、その不安を打ち消すための強迫行為をしない練習をすることです。

つまり、

「不安をなくしてから行動する」のではなく、
「不安があっても、確認せずに次の行動に移る」

という練習です。

ERPとは何か

強迫性障害に対する代表的な心理療法に、曝露反応妨害法があります。

ERPは、

曝露:不安を引き起こす状況にあえて触れること
反応妨害:その後に強迫行為をしないこと

を組み合わせた治療です。

例えば、鍵の確認がやめられない方であれば、

鍵を1回だけ確認する。
その後、戻って再確認しない。

という練習を行います。

汚染が気になる方であれば、

ドアノブに触れる。
その後、すぐには手を洗わない。

という練習を行うことがあります。

最初は不安が強くなります。しかし時間がたつと、不安は自然に下がっていくことがあります。

また、近年は「不安が完全に下がること」だけでなく、「不安があっても強迫行為をしなくても大丈夫だった」という新しい学習が重要だと考えられています。

エビデンスではどう考えられているか

強迫性障害の治療では、ERPを含む認知行動療法とSSRIなどの薬物療法が、主要な治療選択肢とされています。

日本不安症学会・日本神経精神薬理学会の「強迫症の診療ガイドライン」でも、成人の強迫症に対して、ERPを基礎とする認知行動療法やSSRIなどが検討されています。

つまり、強迫行為をそのまま続けるよりも、治療的に強迫行為を減らしていくことには、一定のエビデンスがありますし適切に行なっていくことも治療の一つであると言えるでしょう。(決して無理に自己流で止めたらいいという訳ではありません)

「強迫行為をやめる」と「無理に全部やめる」は違う

ここはとても重要です。

強迫行為を減らすことが大切だからといって、今日からすべての確認や手洗いを一気にやめる必要はありません。

むしろ、重症の方が自己流で急に強迫行為をやめようとすると、不安が強まり、生活がかえって不安定になることがあります。

ERPでは、不安の強さを整理し、取り組みやすい課題から段階的に進めます。

例えば、鍵の確認を10回している方であれば、いきなり0回にするのではなく、

まずは5回にする。
次に3回にする。
次に1回にする。
最後に、1回確認したら戻らない。

というように進めることがあります。

「我慢」ではなく、「練習」と考えた方が近いかもしれません。

家族に確認することも強迫行為になることがある

強迫性障害では、本人だけでなく家族も巻き込まれることがあります。

例えば、

「鍵閉めたよね?コンロ消したよね?」
「シャワー浴びてきて服来てリビングに入らないで」
「変なこと言っていなかったよね?」
「大丈夫だよね?」

と何度も聞き、家族が毎回「大丈夫」と答えたり合わせている場合です。

家族が安心させることは、短期的には本人を楽にします。

しかし、長期的には「誰かに確認しないと安心できない」という悪循環を強めることがあります。
また、家族にも付き合える限度があり病状の悪化に伴って喧嘩になったりトラブルになる場合もしばしばです。

そのため、家族は本人を責めるのではなく、まずは強迫性障害を疑った場合医療機関で相談をすること。そして適切な診断を確認し、医師と相談した治療方針に沿って、確認への対応を少しずつ変えていくことが大切です。
その一助として、薬物療法(お薬による治療)も併用することもありえます。

ただし、急に「もう金輪際一切合わせない」と突き放すと、本人の不安が強くなりすぎることがあります。家族の対応も、はじめは◯回までにしておくとか、主治医と相談しながら進めることが望ましいです。

受診を考えたほうがよい場合

次のような場合は、精神科や心療内科への相談を検討してください。

強迫行為に1日1時間以上かかっている。
仕事や学校、家事に支障が出ている。
外出や通勤、通学がつらくなっている。
家族との関係が悪化している。
確認や手洗いをやめようとすると強い不安が出る。
強迫行為が止められなくて辛く、うつ症状や不眠、死にたい気持ちがある。
家族や友人だが見ていて、強迫性障害ではないかと思うくらい過剰な行動がある。

強迫性障害は、本人の性格や努力不足ではありません。精神的な不調からくる病気の一つです。

自己流、気合、強引に治療するのではなく専門家の手助けのもと一つ一つ改善を目指すことが重要です。

まとめ

強迫行為は、一時的には不安を下げます。

しかし、長期的には「強迫行為をしないと安心できない」という悪循環を強め、症状を維持してしまうことがあります。

そのため、強迫性障害の治療では、不安を完全になくすことを目指すのではなく、不安があっても強迫行為をしない練習を少しずつ行うことがあります。

これが曝露反応妨害法、ERPです。

大切なのは、自己流で無理に我慢することではありません。

症状の程度や生活への影響を確認しながら、必要に応じて薬物療法や認知行動療法を組み合わせ、段階的に治療していくことが大切です。

強迫性障害・強迫行為でお悩みの方へ

日暮里駅から徒歩1分、WEB予約も可能です

「鍵を閉めたか、何度も確認してしまう」
「手を洗っても洗っても、まだ汚れている気がする」
「ガス栓、電気、戸締まりが気になって外出に時間がかかる」
「頭では大丈夫だと分かっているのに、確認せずにはいられない」
「家族に『大丈夫?』と何度も聞いてしまう」
「強迫性障害なのか、ただの心配性なのか分からない」

このような確認行為や手洗い、繰り返しの不安でお困りの方は、診察でご相談いただけます。

強迫性障害、現在は「強迫症」とも呼ばれる病気では、不安な考えやイメージが繰り返し浮かび、それを打ち消すために確認、手洗い、数え直し、やり直し、家族への確認などを繰り返してしまうことがあります。

強迫行為をすると、その場では少し安心できることがあります。
しかし、その安心が続かず、また同じ不安が出てきて、さらに確認や手洗いを繰り返してしまうことがあります。

そのため、強迫性障害の治療では、単に「我慢する」ことではなく、症状の仕組みを理解しながら、強迫行為との付き合い方を整理していくことが大切です。

てらすクリニックにっぽりは、JR日暮里駅から徒歩1分の場所にあります。
WEB予約は24時間受付可能です。

当院では、強迫性障害をはじめ、不安症、うつ病、適応障害、発達障害、睡眠の問題など、こころの不調について診療を行っています。

「確認行為をやめたいのにやめられない」
「手洗いや確認に時間がかかり、生活に支障が出ている」
「家族を巻き込んでしまい、関係が悪くなっている」
「薬を使うべきか相談したい」
「認知行動療法や曝露反応妨害法について知りたい」
「受診するほどなのか分からないが、一度相談したい」

という段階でも、まずは現在の症状や生活への影響を整理することが大切です。

ご予約は、以下のページよりお取りください。

【24時間WEB予約はこちら】

※初診で必ず診断が確定するとは限りません。診察では、現在の症状、強迫行為の内容、症状が始まった時期、生活や仕事・学校への影響、睡眠、気分の落ち込み、服薬状況などを確認しながら、必要な治療や対応を検討していきます。
※強迫行為を急にすべてやめようとすると、不安が強くなりすぎることがあります。自己流で無理に我慢するのではなく、症状の程度に応じて段階的に対応することが大切です。
※死にたい気持ちがある、強い不安で生活が成り立たない、食事や睡眠が大きく崩れている場合は、早めに医療機関へご相談ください。


沿線主要駅から日暮里駅までのアクセス目安

当院は日暮里駅から徒歩1分の場所にあり、JR常磐線・山手線・京浜東北線、京成線、日暮里・舎人ライナーをご利用の方にも通いやすい立地です。

また、西日暮里駅からも徒歩圏内のため、西日暮里周辺にお住まいの方や、東京メトロ千代田線をご利用の方にもご来院いただきやすい場所にあります。

日暮里駅までの目安
西日暮里駅約2分、徒歩でも約10分前後
北千住駅約6〜8分
松戸駅約16分
柏駅約25〜32分
南千住駅約5分
青砥駅約9〜14分
京成高砂駅約12〜17分

強迫性障害は、「気にしすぎ」「性格の問題」と思われてしまうことがあります。
しかし、確認や手洗い、やり直し、検索、家族への確認などに多くの時間がかかっている場合、生活への影響を含めて一度整理することが大切です。

「やめたいのにやめられない」
「確認しないと不安で次に進めない」
「このまま悪化しないか心配」

という方は、一人で抱え込まずご相談ください。

【WEB予約はこちら】

監修者情報

船橋 健吾
医師 船橋 健吾

東京医科歯科大学医学部医学科卒業(現・東京科学大学)
地方中核病院やメンタルクリニック・訪問診療クリニック・産業医として勤務
当院の分院であるてらすクリニックひきふね 院長
(内科・心療内科・精神科・訪問診療)

産業医やケアマネジャーとしても働きつつ、働く皆様や高齢者のお力になりたいと考えています。

WEB予約